顧客に不満を抱かせた時点で負けになる

先日、ある顧問先の社長が相談に来られた。

 

ある契約を交わしたのち、その会社の対応であり担当者とのやりとりにどうしても納得がいかず、その契約を解除したいと伝えた際、先方から契約は有効で着手金の返金はできないと言われたとの事。その対応に関する相談だった。

 

契約書そのものを見せてもらったが、その契約書の書き方も絶対的な表記ではなく、場合によっては多少のやりとりは発生するだろうが、返金は可能かなと思った。しかし最大の問題はその会社からのその契約解除に対する対応だ。その対応1つとっても、やはり解約したくなるような会社なのだな、と感じられた。

 

詳細はここで書くほどの事でもないが、その場合、契約の有効性そのものがポイントではないと私は思う。返金が可能かどうかという点が一見焦点のように思えるがそうではない。顧客に「もうその会社とは付き合いたくない」と思われたという点に関してどう受け止めているか、今後どう対応していくか、その顧客に対してどう誠意を見せていくか、という点こそが問題の本質ではないかと思う。

 

そういう私自身も顧問先の方々とは契約を結んでいる。私の場合は契約解除はフリーとしており、お互いに嫌だと思った時点で契約解除はいつでも可能にしてある。しかし一般的には契約解除の場合は、着手金は返金しないとか、場合によっては違約金があるなどの契約が世の中には多い。クーリングオフなどの制度も一応あるとはいえ、クーリングオフは期間が短い。たかだか1週間だ。しかし実際は進めてみて「これはダメだな」と思われる契約など誰にでもあると思う。そういった時点で様々な問題が起こるから、世の中に弁護士なども存在するとも言える。

 

しかし本質的に考えた場合、「もうやめたい」と相手に思われた時点で負けなのだ。そこまでで経費がかかってしまっている場合などもあるかもしれないが、私はそういった不満を持たれた場合、潔くその契約の解除を認めるべきだと思う。着手金などがあれば全部返金すればいいい。もちろんそこには悪意のある契約解除も存在するので、多少の見極めが必要だが、そういった場合を除き、契約解除でありキャンセルは、契約書の有無に関わらず柔軟な対応をすべきではないかと思う。

 

解除される会社の立場にたった場合、それは困るとなるのだろうが、重ねて言うが、相手に不満であり不信感を抱かせた時点でもう負けなのだ。そこは潔く対応した方が実は「結果的に」損失も少なくなり、やりようによってはその後メリットにさえなる事もある。

 

私の下の子供も、私の長男同様に別分野のコンサルティングで起業しており、個人の方と契約を多く結んでいる。その契約書は私も一緒にひな形を作ったのだが、契約書のありようとしては契約を途中解除した場合は返金する必要はないようになっている。しかし私は次男に、「契約キャンセルの依頼があったら、黙って全額返金しろ」と開業当時から言っている。場合によってはそれまでの労力や多少のキャッシュアウトも既にあるかもしれないが、それでも返せと言っている。

 

先ほども書いたが、顧客に不満を抱かせた時点で負けなのだ。そこでの潔さが、逆にその顧客の信用回復や場合によっては「次」への大きな信頼へと繋がる事もある。何より自身への「身に染みた反省」に繋がり、その経験が自身の次の飛躍であり成功への足掛かりとなる。その全てはそこで受け止められるかどうかにかかっており、そこで相手とやりあうと結果的に自分も身に染みる事なく、成長もできない。

 

結果、その顧問先の社長には私の親戚の弁護士を紹介する事にした。多分その相手の会社は今後大変なやりとりになるとは思う。その相手の会社の方が、上記のように受け止めて、柔軟な対応をしてくれる事を切に願っている。

 

 

 

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