はっきりと言っているか・2

これは以前のブログとほぼ同じ内容になります。

 

あまりうまくいっていない経営者の方や、何をやってもなかなか結果が出ない方達を見てきた中で、ある1つの共通点があることが分かりました。

 

それは多くのことについて、「はっきりと言っていない」ということです。これはそこまで目新しいような内容でもないのですが、非常にシンプルな真理ともいえます。うまくいっていない方達は例外なく、あらゆる物事について「はっきりと」言っていません。そこでしっかりと伝えるべきところを、かなり弱く、場合によっては相手が気づかない程の弱い言い方や、何かの話の流れで「微妙に」はさむ程度の「ニュアンス」でしか伝えていません。

 

経営においても、交渉においても、通常の仕事においても、プライベートにおいても、相手に自分の意思を伝えて、自身の意向にできるだけ沿って欲しいと、人は皆思っています。その、自身の意向に向かうためには、それが進む進まない以前に、まずは相手に伝えなければなりません。そこではっきりと、というより明確に伝えなければ、その物事が自身の意向に沿うどころか、相手は理解すらしてくれません。

 

そこには、伝える側の「薄く伝えて何となく相手が「汲んで」くれないか」という心理が働いているようです。それは、「とりあえず言うだけは言った、多分理解してくれて、そのように行ってくれるだろう」という願いに近い気持ちだと思います。しかし相手は自分の気持ちなど、そして自分の意向などを汲んでくれるはずもありません。それどころか、何も伝わっていないので、普通に逆のことをしてきます。又、多少分かってくれたとしても、こちら側の希望がそこまでの強い熱意と要望だとは思っていないので、限りなく浅くしか対応してくれません。

 

それに対して、「自分はちゃんと言っているんだけど・・・」と感じている人がとても多いようです。実際、それぞれの内容を伝えたかどうかを確認した時、皆さん概ね「相手にはちゃんと言っているんですけどね・・・」と言ってきます。しかしその対象者に聞いてみると、ほとんどが皆「聞いていない」と言います。せいぜい「そういえば、何かそれらしいことを言っていたかもしれない」という程度です。自分の意向など思った以上に人にはほとんど伝わっていないのです。

 

理由としては、はっきり言うことには「人は抵抗を感じる」という点があげられます。それは、はっきり言わなければならないことの大部分は、何かしらの相手への要望であり、相手に動いてもらわないといけないこと、又は相手に了承してもらわないといけないことだからだと思います。要はお願いごとなので、言いにくいのです。言いにくいこととは、相手が簡単に了承してくれなさそうなことになります。そういった内容のことを「浅く」言っても、伝わるわけがありません。伝わったとしても決してその人のためにはわざわざ動いてはくれないでしょう。

 

自分の意向を伝えたいのであれば、又、それで動いて欲しく、了承などもして欲しいのであれば、かなりはっきりと言わなければなりません。はっきりと言わないと相手は理解してくれません、納得してくれません、そして動いてはくれないのです。

 

はっきりと伝えることが苦手な経営者の方々に、今まで数多く出会ってきましたが、ほとんどの方ははっきりと伝えることはしていません。会議の中でも、社員の方に対しても、交渉相手に対してもそうでした。しかもそれでもご自分ではまあまあできていると思っているところこそが何より問題なのかもしれません。

 

相手が動いてくれない時、そして思うような結果になってくれない時は、伝達度は20%以下だと思って間違いないでしょう。伝達度が80%を超えないと相手は「理解」してくれません、加えてそこに「熱量」がないと相手は「納得」してくれません。さらには「継続」して言わないと、伝える側の望む結果にはなってくれません。

 

ご自身の何かを成し遂げるためには、相手の理解と同意と行動が不可欠です。自身の目標を達成するために、まずははっきりと伝えるクセていきたいものです。

 

 

 

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