お客様は神様などではない。顧客の意見を聞き入れすぎてはいけない。

以前、三波春夫が「お客様は神様です」と言っていたことについて、「お客様を神様のように扱うという意味ではなく、歓んでもらうためのあくまでも自身の心構え」として説明された、というのを記事で見た事がある。

 

いろいろな業種でのクレーマーなどの、「客に対してなんだ!」的な言い方や態度でくる人は未だにどこの世界、どの業種でもいると思う。しかしそこに必要以上に低姿勢で対応したり、まして媚びてなどいけないという論調は最近でも多くなってきている。人気ドラマ「不適切~」でもそのようなニュアンスの事を毎回言っているようにも感じる。

 

日本のサービス業は他国と比較した場合、圧倒的に素晴らしいと言われる。私自身、最近になってようやく海外を何度も経験した中では、やはりそう感じる部分は多い。社訓や経営者の方々の言葉の端々にも、「お客様のために・・・」的な言い方の会社などは今でもやはり多い。

 

そういった微妙な顧客に対して変に反発しても面倒だし、まして自社のかなりの売上のウエイトを占める顧客だと尚更何も言えないという事などは、普通にどの会社でもあるとは思う。しかし、私がコンサルティングする際には、それらの会社の経営者の方々にも営業の方々にも、「理不尽な言われ方や態度を複数回取られたらもう行かなくていい」と断言して言っている。むしろ言い返せとまで言っている。多少わがままな顧客や尊大に態度をとる人もいるだろうが、それが常習化しており、又、自社の担当者などが「大きなストレス」を抱えてしまう事などがある場合は、速攻でもう行かないように言っている。

 

顧客第一?そんなはずはない。顧客が偉いわけでも、ましてサービス提供者が偉い訳でもなんでもない。価値があるから買っているので、立場は常にイーブンだ。そもそも人は皆平等、そしてイーブンでなくてはいけない。立場も年齢も関係ない。年長者が高校生などに話しかける場合でも、多少の「ため口」はあるかもしれないが、基本はやはり敬語になるのではないか。子供達に偉そうに話している大人などはとても恥ずかしいといつも感じてしまう。顧客は神様などではない。お客様がお客様が、と言っているのは一見、顧客思いの経営に聞こえるが、実はそうとも言い切れない心理が奥底にあるのではないだろうか。

 

先日、ある食品会社の役員の方々が利益アップのための相談に石川県まで来られた。その会社は顧客には常にアンケートを取っており、その意見を参考にした経営もしているとの事。そのアンケートの中の、80才を超えたおばあちゃんからの「値上げをしないで」という一言を胸に、値上げをせずに未だに低価格で商品を提供し続けているらしい。それはそれで経営そのものが成り立てばいい事なのだが、現状の経営は営業赤字かギリギリ黒字。資金もどんどん減少しているとの事。原価を下げるために稼働率を上げさせ、それにより社員に負荷がかかり、退職者が続出しているとの事。そうなるともう本末転倒だ。アンケートなどにこだわるからそうなる。「もうアンケートは見ない方がいい」速攻でそう助言した。顧客に寄り添いすぎているのが問題だと。そもそもそれは寄り添いなどでもないような気もする。何かそうしている自分自身に酔っているようにも感じる。

 

今のマックなどが顧客にそういった面で「寄っている」だろうか?マックもデフレの頂点期にはハンバーガーを1個100円で売っていた。そこから完全に経営はおかしくなり、今は完全に逆張り経営で過去最高益が続いている。それでも日本のマックの価格は、世界のマックの価格の中でもまだ下の方だ。又、マックで以前、顧客のアンケートを基に、健康にいい素材で作ったハンバーガーが作られてれた。世の健康志向もあり、大ヒットするかと思いきや、全く売れずに早々に終了。アンケートなどはある意味建前も多く含まれており、本音はもっと違う所にある場合もあるようだ。あの身体的にはそんなによくない素材を使った味こそがマックの魅力なのだ。実はそういった事例は限りなく多い。

 

ストレスがかかる顧客は手放した方がいい。売上が下がる?大丈夫、言う程は下がらない。それよりも「自社の大事な社員」がストレスを感じてしまう事の方が余程問題だ。社員のために、そして社員であり会社の自尊心を取り戻すためにもそういった顧客とはもう縁を切ろう。

 

実は私もそれを続けて続けて、今がある。

 

 

 

「建設業のための経営改善バイブル」(第5版御礼) 

「粗利だけ見ろ」(第6版御礼) 

「建設業経営 利益最大化の法則」(第2版御礼)

「粗利至上主義」(第2版御礼)

 

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