コロナ禍を経て、オンラインでの会議や打合せなどを継続されている会社もい多いと思います。私の所への取材の申込や、各原稿のやりとり、細かな打合せなども、ZOOMであったり、GoogleMeet、LINEによるビデオ通話などが圧倒的に多くなっています。
では、それらにどれだけの「価値」があるか。
「価値」があるとすればただ一点、「移動の時間が取られない」ことのみが挙げられると思います。しかし私はその一点のみしか価値を見出せず、逆にそれ以上にその「弊害」の方をより強く感じています。確かに楽です。楽過ぎです。超楽です。打合せには何人も参加できるし、参加者それぞれの場所も問いません。最初の事は「これはいい!」と感動を覚えたものです。
これであれば、もう毎回全国各地に行く必要もない。移動のストレスもない。残りの時間もどれだけでも使える、などと当時はかなり喜んだものです。しかし「伝わらない」のです。言葉は相手の「耳」には入るでしょうが、その真意と熱量、何より「その思い」は全く伝わりません。何回かやっているうちにそもそものミーティングの「成果」が弱まっている事に気づき、コロナ禍ではありましたが、私はオンラインでの会議やミーティングを完全に「面談」に切り替えました。コロナの時は部屋の窓を全開にするなどして完全換気しながら、マスクなども完全着用で行いました。特にマスク着用での話は息が続かずに慣れるまで本当に大変でしたが、その後の「結果」はやはり「圧倒的に」良くなりました。
最近も取材等の申込みはほとんどがオンラインですが、オンラインの場合は今はほとんどお断りするようにしています。オンラインにするまでもない内容も多く、その場合は電話にしてもらっています。実際、ほとんどの打合せなどは1対1であれば「電話」でもう十分なのです。間違いない言葉で確実に伝えるならメールでもいい位です。しかし世の中の取材系や、ミーティング系の多くは今やオンラインになっています。「面談で」などという人はなかなか少ないと思います。やはり皆、できるだけ「楽」な方がいいですから。その伝達度を理解度、納得度、その後の行動度も含めて敢えて数値化した場合、オンラインによる「効果」は面談の「30%程度」にしかならないと思っている位です。
先日、登録者数12万人のYouTuberであり、会員数3000人越えのオンラインサロンの家主でもある長男に、プラットフォームの媒体の会社などとの交渉予定の内容を聞き、その全てを「直接面談での交渉」に切り替えさせました。手数料の在り方や、機能の一部修正の依頼等、何より今後のそのサロンのビジョンや目標数値なども含めた「長期的な交渉要素」が高かった為、絶対的に直接の交渉をするように促したのです。長男は最初は面倒がっていましたが、目的に対する行動手段としての重要性を伝え、それぞれ先方の渋谷と新宿の会社に行って、直接話をしてくる事にしました。結果は、想像をはるかに超えた成果が得られました。
利益を上げる事も、交渉する事も、そして何らかの成果を得ることに対しても、「手間」をかけない事には本当に長期的な成果は得られません。「この方が楽だな」と思ったやり方があった場合、それが本当の意味で効率的な事かを見極めなければなりません。何でもかんでも訪問して会えばいいとは限りませんが、少なくとも自社にとって大切な交渉事や、伝えきりたい内容があった場合のオンラインは避けた方がいいです。
「利益を上げるには手間がかかる」という事は常に思っておいた方がいいです。
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