「利益アップのコツ」はフォアボールを選べるかどうかにある

今年のジャイアンツのキャンプに松井秀喜が来た時、近々にもメジャー挑戦をする予定の岡本和真にアドバイスを送っていた。

 

松井は岡本のここ数年の成績を全て確認したとの事。当然素晴らしい数字が並んでいるのだが、ただ1点、松井が「問題」と感じる指標があった。ジャイアンツ時代の松井と比較しても明らかに劣る数字、それが「フォアボール」の数だ。

 

松井は年間100個以上のフォアボールを選んでいたが、岡本は年間で70個付近の数字が並んでいる。松井から3割近くも少ない数字だ。

 

近年の岡本はホームランも打点も常にリーグの1位~2位。ここ最近は毎年村上と競っている。しかし打率に関してはなかなか及んでいなかった。その答えはそこにあるという事だ。

 

又、松井はジャイアンツ時代、「追い込まれたらフォアボールを狙っていた」と思いもよらぬ事をここで言っていた。当時「ツーストライクに追い込まれるのは怖くない」と松井が言っていたのは覚えているが、その真意がフォアボール狙いにあるとは思ってもいなかった。追い込まれてもホームランは打てる、と豪語していただけなのかと思っていたが、全くそうではなかった。ジャイアンツ時代後半の松井は常に三冠王に近い状態に位置していた。その背景はフォアボール狙いにあり、その結果として打率が上がっていたのだ。ホームランを打てば打点は上がる、そしてフォアボールを増やせば打率が上がる。やはり非凡な人は「考え方」と「思い切り」が違うのだと改めて思った。

 

経営においてフォアボールとは何か?それは「受注の見送り」に他ならない。

 

建設業界においては売上のための受注や、同業にその仕事を取られたくない為の意地の受注がよく見られる。しかし最近、全く他業種の方々の相談に乗っていると、どの業界どの業種でも薄利の仕事は「売上」が立ち、そのためにはそこを見送る事ができなくなっている会社が多い事が分かった。もうほぼ全ての会社が、少なからずそういう顧客との付き合いを続けているのではないだろうか。

 

薄利でも少なからず利益はある、薄利でも工場は稼働する、薄利でもないよりはマシ、長い取引先なのでいくら薄利でもやめられない、経営者の方々が皆そう思っている事は概ね間違いない。その仕事がなくなったら、社員が暇になってしまうから、いや実際はそんな事は全くない。薄利の仕事は売上が大きい為、社員の労力が多数取られる。よって、それさえやらなければ多くの人員が別の業務に使えるようになってくる。

 

ここで話は先日のブログにも繋がるのだが、要は自社にとって利益の上がる「いい仕事を取れば」いいだけだ。いい仕事などそんなにない?それはまずは人員の余裕を持たせてから言った方がいいと思う。そもそも人手不足人手不足と世の中全部で騒いでいるではないか。そんなに忙しいなら、まずは売上は大きいが薄利の仕事をしなければいいだけなのだ。そうすれば人手不足など一瞬で解消される。これが要は「フォアボールを選ぶ」経営だ。

 

しかしほとんどの経営者の方々は、改めてそれぞれの会社の事情を持ち出して来られる。そしてその仕事をやらねばならない理由をひたすら挙げてこられる。よってその「考え方」を変えられるかどうかに全てがかかっているという事だ。

 

「人手不足を解消し、自社の利益を大きく上げる」など簡単にできる訳ではない。しかしその気になれば超簡単にできる。難しいのは経営者の方の考え方やバイアスを解かねばならないという事だ。それこそが最大の問題であり、簡単ではない事そのものなのだ。

 

私の顧問先の経営者の方で、私との付き合いがもう何年もある経営者の方でも、未だになかなかその考えを払しょくできない人も何人かいる。言い方は悪いが、目を離すとすぐに「変な仕事(薄利の仕事)」を受注してくる。「これ何ですか?」と私が聞くと、一生懸命にその仕事を受注せざるを得なかった理由を説明してくる。そして私はまた懇々とその経営者の方に説明し、一生懸命に諭す。それを繰り返している会社もある位だ。

 

自身の本質や考え方は簡単には変えられない。そういう私も自身の本質はなかなか変えられないだろう。しかし、経営の為、社員の為、そして会社存続の為にはそこを打ち破らなければならない時もある。人手不足全盛の今がまさにその時だ。そんな時のためのヘッドコーチとして、私がいると思っている。

 

 

 

「建設業のための経営改善バイブル」(第5版御礼) 

「粗利だけ見ろ」(第6版御礼) 

「建設業経営 利益最大化の法則」(第2版御礼)

「粗利至上主義」(第2版御礼)

 

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