コロナが明けて感覚的には約2年。円高、物価高、ぞして現材料高によるインフレが続いてはいるものの、日本全体、しいては北陸圏では、特に建設業界などはある種の「バブル」的な状況となっていました。
肌感としては、その状況は今も続いています。私の地元の石川県では1年前に大きな地震があり、未だに解体すらも完全に終わっていない状況の中、復興も含め、建設需要は果てしなくあるように感じていました。
先日、昨年2024年の北陸圏の倒産の記事がありました。昨年の北陸圏の倒産件数は2023年比28%増の204件。200件を超えたのは4年振りとの事です。その中でも第4四半期の件数などは過去10年の中で最も多く、2025年に向けて倒産件数はさらに増加するという見方となっています。
問題はその内訳。最も倒産の多い業種は建設業界との事。またしても建設業界です。ここ何十年も倒産が最も多いのは建設業界とずっと言われ続けていました。本当にずっと言われて続けています。しかし近年のこの状況においても未だに建設業界の倒産が多いというのは自分的にはかなり衝撃的でした。
どんぶり勘定、という言葉は昔の言葉になりつつあるのかと思っていましたが、そんな事はまだまだないようです。上記の状況から考えても仕事自体はたくさんあるはずです。それでも倒産は「全く変わらない比率」で増加し続けています。一体何故でしょうか?
率直に言って、単純にやり方を変えていないからだと思います。やり方をほとんど変えない中で、仕事は増えているものの、材料高・人件費高・外注費高による原価上昇を価格転嫁できないまま、仕事は忙しくなるだけで利益が伴わず、倒産に至ったのだと思います。
2025年、2026年と、その状況が落ち着くとは思えません。本当にバブルのような「超言い値」の時代が来ない限り、もう無理なのかもしれません。しかし仮に「超言い値」の時代が来ても、皆さんは「概ねこれまでの感覚」のままで見積りを出し続けるのではないでしょうか。
「多少」の転嫁などでは済まないのは本当は皆分かっているはずです。しかし、提出先、得意先から「何か言われたらどうしよう」「仕事がもらえなくなったらどうしよう」と思い続ける中で、売価率の維持、又は微増の中で経営をし続けているような気がします。
ここ数年、時代背景的には千載一遇のチャンスの時期となっています。今変えずにいつ変えるのか?という奇跡にも近い時代背景となっています。
どうか今のスタンスを本気で見直して欲しいと思います。