少し抽象的な表現になるが、経営は「感覚」で進めない方がいい。今回はその内容について書いてみたい。
経営などという「大きなもの」に対して、「感覚」で進めている経営者なんているのか?と思いがちだが、経営者の皆さんは、皆さんなりに必死にやってはいるものの、「客観的に見る」とその経営の仕方は「感覚」になっているケースは多い。
まず1点目が「数字を掴む事」だ。「経営があまりうまくいっていない経営者の方々は、残念ながらまず「数字」が掴めていない。業績が良くない、利益が上がらない、売上が安定しない、などと言われる割には「前期の最終利益いくらだったんですか?」と聞くと、ほぼほぼ答えは返ってこない。「前期の売上はいくらでしたか?」と聞いても正確に答えられない経営者も多い。私の顧問先の皆さんにはいつも、「まずは自社の「最低限の数字」は暗記しましょう」とお願いしている位だ。
まずは自社の現状を知る、という事が不可欠である事自体は、誰しもに分かっていただけると思う。しかし業績があまり良くない経営者の方々は、そこを「具体的には」認識せずに、結果として「感覚」で「数字が良くない」と皆、口々に言われている。確かに数字が良くないのかもしれないが、「今こういう数字だから、今の「純利益〇〇円」から「年間の返済額の1000万円」はとても返せない、というような認識をされた方がいい。
経営者に対して聞かせていただくもう一つの質問で、「いくら利益を出したいですか?」というのがあるのだが、これも具体的には返ってこない。ほとんどの経営者は「出来るだけ多く」としか答えない。「出来るだけ多く点を取ってこい!」と監督に言われて意気に感じる選手も少ないのではないだろうか。「あと5点必要だ。あと6イニングあるから、毎回1点ずつ返していこう」と言われた方が、やる方も「イメージ」がつきながら攻撃出来るはずだ。そういう事を考慮した上で、数字を掴まなければならないという事になる。要は「いくら利益を出せばいいのか?」という事を掴まなければならないという事だ。
もう1点が「社員との対話」だ。以前のブログでも書いたが、全社員との定期的な面談は経営者として不可欠だ。社員の態度が悪い、雰囲気が悪い、動きが悪い、営業してこない、現場をいい加減に管理している、遅刻が多い、等の不満が経営サイドからはあるだろうが、だからこそそれらを大枠で捉えて、単に「社員が悪い」と決めつけずに、何が問題でそうなっているのか、どういう理由であり心境でそうしてしまっているのか、という事を見極めなければならない。その為には面談は絶対に不可欠だ。
ここを行わない経営者の方も本当に多い。ここに関して言えば言い方が少し厳しいが、「逃げている」と言っても過言ではない。経営者の気持ちも分からなくもないが、何となく経営者の皆さんは社員との対話を「避ける」傾向は強い。しかし、話してみると、意外に大した事もなく、問題だと思っていた事が瞬時に解決する事も多い。逆にもっと根深い問題だったことに気づき、早期に手を打つことができるという事もある。
最後にまとめると、経営を「感覚」で行わない為にする事は2つ。①自社の数字を覚える事 ②社員と定期的に対話する事、この2つになる。この2つを行うだけで、「感覚」で行っていた経営が一気に「具体的」になる。心理的なハードルは若干あるかもしれないが、いずれも難しくない内容であり、誰にでも出来る事とも言える。どうか頑張って取り組んでいただきたい。
