利益管理シートの簡単な作り方

会社の業績をきちんと「シートで管理」していない会社はかなり多い。建設業界などでは特に多くなっている。

 

ちなみに、試算表であり資金繰り表はどの会社にもあるだろうが、それは「業績を管理しているもの」とは言えない。試算表は「決算」の為の「月次で締めたもの」に過ぎないし、資金繰り表は文字通り「資金繰りを管理」するものだ。しかもこの両者は経営者が自ら望んで作っているものではなく、試算表は決算に必要な為「税理士さん」が作ってくれるものであり、資金繰り表は借入金がある為に「銀行」に言われて出しているものだ。経営者が自ら必要を感じて作っているものでないと言える。

 

この2つも部分部分においては自社の「資料」として使えない事もないが、本質的にその作成目的が「業績を管理する」というものにはなっていない為、それなりに活用しようと思ってもかなり難しい。多少参考になる程度にしかならない。

 

よって、業績を管理するシートは各社が独自に作成しなければならない。しかし皆、そこが面倒に感じるのか、又、やり方が分からないからか、ほぼ手を付けない。手を付けていたとしても「かなり複雑な資料」を作っているケースが多い。「これ作るの大変だったでしょう」と私が言ってしまう程、手の込んだ管理シートを見た事は何度もある位だ。しかも残念ながらそのシートも必要な事が理解できるものにはなっていない。「このシート何のために作っているのですか?」と社員の方に聞いても、「分からない」「社長に言われたから」との回答も多い。経営者自身も良く分かっていないケースもある。

 

自社の業績の進捗具合を確認する為のシートは、業績を上げる為には、そして利益を上げる為には必須である。「きちんと」自社の業績を管理であり確認出来るシートを作っている会社は正直今まで1社も見た事がない。経営者さんなりに一生懸命に考えて作られている会社も、前述のように手間をかけている割には、知りたい事が非常に分かりにくいシートを作っているケースが本当に多いのだ。

 

業績を管理するシートは野球に例えると、「スコアボード」になる。スコアボードがないと、野球を9回まで進めるうえで、ひたすら投げて打って守るだけで、プレーヤーは全員「状況」が全く分からないはずだ。スコアボードがあるから進捗が分かり、点数差が分かるのだ。もっと言えばランナーがいるかどうか、アウトカウントがどうかが分かる。野球でもランナーがいるかどうかと、アウトカウントによって攻撃の仕方は変わるはずだ。スコアボードがない試合であり、会社は延々と終わりのない戦いをしているように感じられてしまう。経営者はそうでもないかもしれないが、特に社員がそうなってしまうのだ。実際、経営者自身も「進捗」は正確に分かった方がいいはずだ。その方が作戦も立てやすいと言える。

 

「進捗シート」などと言っても難しい事など何もない。私の顧問先の方々には、私自身が作った「基本シート」を会社毎に「アレンジ」して使ってもらっているが、そんなのは誰にでもすぐに作ることができる。一言で言えば、「物件を縦に羅列して累計する」ただそれだけだ。「累計する」この超単純な作業を皆さん何故かやられていない。「灯台下暗し」的な感じがあるのか、難しい事をやろうとするから、途中で分からなくなり皆さん挫折する。ここはもっと単純に考えた方がいい。

 

縦に「受注順」に各物件を並べる。受注する毎に書き込めばいいだけだ。後は右列に、受注金額・各種原価・粗利益・粗利益率を書き、ひたすら累計するだけだ。ただそれだけでいい。累計額は、エクセルなどでも「最低限の足し算の計算式」だけ入れておけば、受注累計と粗利益累計、そして平均の粗利益率は常に出てくる。それぞれの目標値さえ設定しておけば、その差額が不足分になる事になり、その差額を「埋める」対応を会社として行っていけばいいだけになる。

 

しかしどうも皆さん、ここで躓いてしまうようだ。とにかく難しく考えないことだ。シンプルにシンプルに考えて、上記の通りにやってみていただきたい。