建設業界の収益構造はピラミッド型などではない

建設業界はピラミッド型の収益構造だとよく揶揄される。先日も、ある税理士YouTuberが、建設業界はピラミッド構造の為、水がピラミッドの下にまで行ききらず、下部の方から収益が圧迫され倒産していく、的な事を言っていた。テレビやネットなどでも同様の事は、ずっと以前から言われている。

 

しかし私は「そうとは言い切れない」といつも思っている。確かに、上部からの「予算の範囲内」で皆が仕事をし続ければそういう流れにはなりやすくはある。しかしその途中で、それが中間層であっても、最下層であっても「仕事量の状況」を踏まえて「交渉する」事により、流れは大きく変わってくる。

 

これは建設業界に限った事ではないが、特に建設業界で顕著な原因がそこに存在する。それが「赤字受注」であり「薄利受注」だ。しかし、中間層の業者が仮に「赤字」で受注したからと言って、その会社から「請ける業者」が赤字になるとは限らない。むしろ「逆に」こちらが元請けの足元を見て、高値で受注することなどは十分に可能である。まして今は「空前の人手不足」の時代。元請けは受注した工事は何としても終わらせなければならないので、それが高値であっても業者を集める事などよくある事だ。その場合、収益の逆転現象は普通に起こり得る。

 

そこで問題なのは、その下で請ける業者が「高値」で見積りを出し切れるかどうかにある。自社の最低利益の確保であり、利益率の確保を「決めている」業者であれば、自社の希望金額を出し切り、そこで交渉に入るのだが、何故か「交渉を嫌う」業者は未だに多い。「いつもお世話になっているから」「次の仕事に影響が出るから」と、無理な仕事を無理な金額で請けてしまうという事はよくある事だ。その場合は、結局、冒頭のピラミッド収益構造に落ち着いてしまう。

 

元請けの意向が全てではない。しかしここでは、全ての希望金額を突っぱねろと言っているのではない。こちらの金額の理由を「明確に説明」して、「丁重に折衝」する必要があるという事だ。

 

以前のブログでも何回も書いたが、「人は交渉を嫌う」傾向が強い。自社であり自分の「妥当な」利益を取るための交渉を徹底して嫌い、結果、相手の言うままに請けてしまうというケースは良くあることだ。だから利益の出ない会社が多いとも言える。

 

稀にハードな交渉もあるが、交渉してみると意外にすんなりいくケースが感覚的には3分の1以上はある。「普通」に話すだけで希望金額が通る事もあるのに、それすらも言わないケースが多いのだ。

 

全体的なピラミッド構造の中の収益構造自体は、その税理士の言う通りかもしれないが、全ての案件がそうなる訳ではない。無理してまで元請けの予算に、こちらが合わせる必要などないのだ。その全て抗えとは言っていない。せめて、時と場合によっては希望金額を理由を付けて言い切る勇気は会社として持った方がいいという事だ。

 

それだけでも会社の利益額であり、利益率は上昇傾向に変わっていくはずだ。