経営者の方々を見ていると、「利益を取るのはそんなに良い事ではない」と思っている人が意外に多い。「利益は経営で必要だと思っている」とは皆さん言うものの、どこかで「何か後ろめたさ」を感じている人がいるという事だ。
深い心理状態を見てみると、「人は交渉を嫌う」という面がある事は間違いない。しかしそれ以外の要素として、「利益=悪」の感覚をどこかで持っているようだ。これは長いデフレ状態が原因でもあり、日本社会そのものの心理的風潮であり、マインドとも言える。
よって「その深いもの」から解き放たれるには、「自己変革に対する大きな勇気」がどうしても必要になってくる。そしてそこは非常に難しい「障壁」とも言える。しかしその「障壁」を「突破」する人も世の中には大勢いる。そういう人達が業績のよい会社の経営者であり、成功者の特徴の一つだと思う。
そういう話をすると、「自分はそこまで出来ない」と言われる経営者が必ず出てくる。そのニュアンスの中には、「自分はいい人でいたい」という思いも、どこかで見え隠れしているようだ。「利益を大きく取れば、いい人とは見られないかもしれない」という心理状態がどこかで存在しているのだ。
しかしそういう気持ちも分からないではない。私自身にしても本心ではそう思っている位だ。しかし経営する以上、そして商売する以上、考える事はただ一つ、「いかに利益を上げるか」だ。それ以上のものはない。
利益を出す為に顧客の事を考え、その顧客に満足してもらう為に自社のサービスの在り方を本気で考える。それは顧客が喜ぶように「ただ安くするため」ではなく、自社がより利益を得るために、自社がより高い金額を提示できるようにするために、自社サービスの在り方そのものを考えるという事だ。顧客への思いは「自社の利益確保への思い」の延長にあるべきだと思う。
世の中の住宅会社一つとっても、会社によって粗利益率は大きく変わる。少ない会社は年間粗利益率が年10%付近。10%を切っている会社もあるだろう。多いのは15%付近、あっても20%付近か。しかし目指すべきは最低でも25%、出来れば30%、理想は40%である。当然のように高くなればなるほど、それを実現している会社数は減っていく。ボリュームゾーンであり、中央値は多分15%~20%だと私は思っている。しかしそれでは全く足りないのだ。
ちなみに大手ハウスメーカーだと「粗利益率は40%付近」になっている。大手だからできるのだ、とこれも皆言うが、何故大手だから出来ると言い切れるのだろうか。広告宣伝費も含めての大手はその「経費率の高さ」により、大手の営業マンは大手なりの大きな苦労があるはずだ。その利益を取らないとやっていけないから、その金額で出すしかないのだろう。それは長年の社風であり、社内取決めの結果とも言える。彼らは彼らで、そこからは逃げられないのだ。本当に大変だと思う。
「徹底して利益を追求する経営」をした方が良い。
大きく利益を取る為にはどうすればいいかのみを考え、利益を取る為に、顧客へのサービスを徹底して強化するように、「本気で」考えてみてはどうだろうか。
何事も徹底の先にしかい結果はない。「いかに大きな利益を取るか?」、そこに経営者であり自社の社員の「全知力と全知見」を集中投下してみる事こそが大事な事であり、そこにしか生き残る道はもはやないとも思える。
大きな思考の転換をすべき時期は「今」しかないと思う。今はそういう時期だと言える。
