(①の続きです)
ではどのように舵を切るのか?それが①の冒頭に書いた「金額提示の仕方」を変化させる事だ。そこに尽きる。
「経営改善」は「利益改善」であり、「利益改善」とは「提示金額に変化をつける」事となる。ではどのように変化をつけるのか?それは「金額を大きく上げる」のである。それしかない。
コロナ時、ウッドショック時、震災時、そして今回のナフサショック。生活を揺るがす程のこの大きな出来事の後で、今までままでいけるはずはない。この4つの出来事であり、ここ数年の流れは完全に「インフレ状態」だ。「デフレ」はもう完全に終わっている。いかに安く売るか、という世界戦はもう完全に終わっているのだ。元々諸外国に加えて日本は「異常に」物価が安かっただけの事だ。それが徐々に世界レベルに近づいていくだろう、というのが普通に考えられる予測になる。
「出」が増えていくなら、もはや「入り」を増やすしかない。そこで安く出そうというのがそもそも無理な話になる。
ウッドショックで上がった建材価格は元には戻っていない。一説によればまだウッドショックは続いているという話もある位。私がいる石川県では2年前の震災の影響はまだまだ色濃く残る。ようやく公費解体が終了し、これから復興に向けての動きになる。
そういった中で各社は「いかに高く見積り」を出すか、という事が重要になる。それが全てと言ってもいい。ウッドショックで原価が上がり、震災で原価が更に上がった。そしてナフサショックでまた更に原価は上がる。住宅価格の調査では今は10年前金額のの「1.5倍以上」かかっているらしい。10年前に3000万円で建てられた家が、今は5000万円に近づいているという事だ。それでも世間の収入そのものはほとんど変っていない。
そういった状況にも関わらず、経営者の方々が「遠慮」している姿が本当に良く見られる。それでもまだ「何とか安く提出したい」と皆さん思っておられるのだ。人がいいと言えば聞こえはいいし、本当に皆さん人がいいのかもしれないが、ここは逆に「チャンス」と捉えて欲しいと、私は私の全顧問先の経営者の方々に言っている。
「今責めずにいつ責める」と。
コロナであり、ウッドショックであり、ナフサショックは大きな痛手だ。まして私の地元の石川県では、2年前の震災で大きな被害が出ている。だから皆で我慢しようと考えてはいけない。ここは今がチャンスと割り切って欲しい。
「便乗値上げ」という言葉は一般的には悪い表現として使われている。本当はそこまで原価が上がっていないのに、その上がった原価以上に提出金額を上げるという事だ。また、そもそも原価が上がっていないのに、見積り金額を上げる事に対してもその言葉は使われる。
その「便乗値上げ」を推奨したい。
世の中の原価が上がってきている風潮が数十年振りに出てきているのに、ここで便乗せずにいつ値上げするのか?金額を上げるなら今しかない。今は自社で原価を吸収して我慢すべき時などではない。今こそ大きく便乗する事を推奨したい。
今の時代の経営の舵の切り方はそこにしかないと思っている。そして、どうせやるなら中途半端にはやらずにここは思い切ってやって欲しい。
ここ数年の様々な世の中の変化に「便乗」して、借入金の特に大きい私の顧問先の数社が一気に復活を果たしているのがその証拠だ。皆、20年経っても終わらないであろう迷宮にいながら、ほぼ全社がそこから脱出している。もう5社以上が、向こう5年以内で終了、という状態に突入しているのだ。
